ローヤルゼリーの歴史

ローヤルゼリーは、健康食品として親しまれていますが、実は古い歴史を誇っています。
ローヤルゼリーと思われる存在が書かれている書物は、なんと紀元前にまでさかのぼります。
ローヤルゼリーには、どんな歴史があるのでしょうか?
ここでは、ローヤルゼリーの歴史を紹介します。

人間とはちみつの関わりは紀元前から

スペインの東部、ラ・アラーニャ洞窟には、紀元前6000年前の壁画があり、壺を持ってはちみつを採取する人が描かれています。
古代エジプト文明(紀元前3000年~30年)でも、壁画に、蜂を飼い、燻煙器(くんえんき)で蜂を眠らせてはちみつを取っている人が描かれています。
メソポタミア文明(紀元前3000年~)でも、ミツバチを飼い、はちみつを採っていたことが遺跡の壁画からわかっています。

ローヤルゼリーの発見

ローヤルゼリーに関する最も古い文献は、紀元前384年に生まれた古代ギリシャの哲学者、アリストテレスが書いた「動物学」で、第5編にローヤルゼリーと思われるものが出てきます。
アリストテレスは、ローヤルゼリーのことを「濃厚な蜂蜜に似た淡黄色の柔らかなもので、このものから蛆が生まれれば、蜂王も生まれる」と書いています。

アリストテレスは、ローヤルゼリーに浮かぶ幼虫が女王蜂になることを知り、ローヤルゼリーを魔法の鍵と呼んでいましたが、そのしくみは解明できませんでした。
働き蜂の幼虫が、ローヤルゼリーを食べて女王蜂になることが判明するのはさらに後です。

命名は、ローヤルゼリー

ローヤルゼリーは、1792年、スイスの盲目の博物学者、フランソワ・ユベールが出版した「ミツバチに関する新たな研究結果」(または、「蜜蜂の新観察」とも訳されています)という本の中で、国王(女王)が召し上がるゼリーという意味で「geleey royal」と、表現されたのが始まりです。
この本が英訳された時に「royal jelly」(ローヤルゼリー)と表現され、ローヤルゼリーの名が一般的に広まりました。

世界に広まったローヤルゼリー

ローヤルゼリーは、1952年にフランスのベルべフェールが長い年月をかけて研究し、ローヤルゼリーの薬「アビゼールム」を販売しました。
アビゼールムは、各地の病院で薬品としてテスト使用され、2年後には保健省(日本でいうところの厚生省)の認可を受けたことで、評判になりました。

1955年、当時80歳のローマ法王、ピオ12世が肺炎のため危篤になりました。
ローマ法王は、当時の最新の治療を受けましたが回復せず、医師団のリシー博士が最後の望みをかけて「アビゼールム」を投与しました。
アビゼールム、つまりローヤルゼリーを与えられたローマ法王は、顔色がよくなり話ができるまでに なり、その後、投薬を続けた結果、奇跡の回復をしました。

このことが同年の国際学会で発表され、さらに、1958年には、ローマ法王自らが、世界養蜂家会議で、ローヤルゼリーをたたえる演説をしたことで、ローヤルゼリーの名前は世界中に広がり、ローヤルゼリーが普及するきっかけになりました。

日本でのローヤルゼリーの歴史

日本では、ローヤルゼリーの歴史は世界ほど古くはありません。

ローヤルゼリーは1889年、農学博士の玉利喜造が、著書の「養蜂改良説」で、ローヤルゼリーを「王家の舐物(なめもの)」として紹介したのがはじまりです。
また、1913年に徳田義信著の「蜂蜜」の中に「王乳」という言葉が出てきます。

1957年に日本養蜂研究会の会長が、人工王台を使ってローヤルゼリーを量産する方法を開発しました。
その後、1959年に、週刊誌がローマ法王の演説を受けて「不老不死の新薬現る?」という記事を掲載してローヤルゼリーの効用が広まり、1960年からローヤルゼリーの生産がはじまりました。

日本では、昔からはちみつとローヤルゼリーとプロポリス(働き蜂が採取した植物の樹脂を唾液と共に噛んで、ワックス状にしてできた物質)を区別しないで摂取していました。
ローヤルゼリーと認識しないだけで、ローヤルゼリーやはちみつを摂取することが、身体にいいことは日本でもわかっていました。
また、日本の人工王台の開発は、ローヤルゼリーの量産という形で、養蜂界に大きな功績を残しました。

まとめ

ローヤルゼリーの歴史はとても古く、紀元前まで遡ります。
効用がはっきりわかってきたのは、1950年以降で、その後、危篤のローマ法王がローヤルゼリーを摂取して、奇跡的に回復をしたことがきっかけで世界的に広まりました。
日本でも、ローマ法王の回復の週刊誌の記事がきっかけで、ローヤルゼリーの名前が広がりました。
さらに、人工王台の開発で希少なローヤルゼリーが量産できるようになり、ローヤルゼリーは健康食品として、誰でも摂取できるようになりました。

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